2011-05-14

蓮の花奨学生からの便り(28)

久しぶりに蓮の花奨学生からの便りです。
ダクラク省ブオンメ・トゥオットから来ました。ベトナム戦争中はバンメトートと表現されていました。
ダクラクは、エデ語で「湖水」という意味です。きれいな表現ですね。ダクラクは、感じで書くと「多楽省」と書くのと「得楽省」とかかきます。なにか、楽しいことがあいそうな省ですね。
ベトナム
Buôn Ma Thuột, Đăk Lăk, Việt Nam


拝啓、皆さまへ

 皆さまに、ご健康とご成功をお祈り申し上げます
 東日本大震災では、皆さまは被害を受けましたでしょうか? ニュース等をあまり見ていませんが、深刻な災害が起きてしまったと聞かされました。皆さまのことをすごく心配しており、自分自身は皆さんのお力になりたいと思っています。しかし、何でもいい、できることからお手伝いしたいという気持ちがいっぱいですが、私は心から皆さんに良い結果に終わるように祈ることしかできません。皆様だけでなく、多くの日本人にも困難を越えて頑張ってくださいと応援をし続けます。
手紙の中に前期の成績を同封しました。新しい環境にまだ慣れてなく、集中力が出ていません。それに色々心配ごとがあって、成績があまり良くありませんでした。しかし、後期は良い結果を出せるように、一生懸命勉強するとお約束します。
  ところで、一ヵ月半前に皆に手紙を送ったが、多分届かなかったのではないかと思っています。私は引っ越したばかりです。新しい住所は22 XXXX, Thành Phố Buôn Ma Thuột , tỉnh Đăk Lăk。

 新しい部屋は私と二人の友達と一緒に住んでいるので、一ヶ月の生活費は80万ドンで済みます。今年、学費を400万ドンも納めました。大学で先輩から色々お世話になっていただいたので、勉強も順調にできました。夜も英語の塾に通いますので、さらに60万ドンがかかります。(生活費と同じくらいかかります)。

 後期は科目が多くて、夜も勉強するので、忙しくなります。しかし、時間ができたら、すぐに実家に電話します。私と兄は勉強するために、実家を離れなければならないので、母のことだけが心配です。兄は、今年、大学での研修のために、アルバイトして貯金しなければなりません。兄はずっと仕事しているので、今年の正月は実家に帰りませんでした。たまに、兄から送金してもらいました、父がいないので、兄が家族を支えています。

 お母さんは毎月援助金が40万ドンぐらいもらえますので、ちょっと生活費の足しになります。一般の人よりお母さんの体は不自由ですが、晩御飯も食べずに、夜9時まで働き続けます。お母さんが雨で濡れている姿を想像すると、涙が止まりません。そのため、お母さんと皆さまの期待に応えて、一生懸命に頑張りたいと思います。

 ところで、大学でQuảng Ngãi故郷会の人たちと出会って、私のこともいろいろ面倒をみてもらっています。今年、皆さんの手紙の返事はまだいただいてなく、今回はすごく楽しみに待っています。
 
 ところで、レー・バン・チュオンの政治課指揮部の新聞を見ました。皆様は、私の家の中にあるすごく古いテレビを気遣って下さって、本当に感動しました。あのテレビは私が小学2年生の時からありました。すごく古いですが、私の家族にとってとっても貴重なものです。ですから、テレビは母の親友と言えるほどです。私の家族だけでなく他の家族も日本の皆様から色々面倒を見て下さり、何よりうれしく、心から感謝します。誠にありがとうございます。
 皆様、お元気で。そしてどうかいいことがありますように。
敬具
グエン・ティ・トー・クエン
ベトナムの国旗
トー・クエンさん、お手紙ありがとうございました。
これまでベトナムにいった我々のグループでは、被害に遭った方は居ないと思います。
ご心配ありがとうございました。
成績表もありがとうございました。
自分の成績を人に見せるということは、とても勇気に要ることです。そこには、トークエンさんの誠実さと責任感が現れていると思います。
被災者のために、祈ってくれていること、とてもうれしいです。少なくとも、私の友人には、必ずお伝えします。

トークエンさんの母親思いの文章に感動しました。お母さんと価値あるテレビのことも初めて知りました。古いテレビには、お母さんの気持が染みこんでいるんですね。

 それでは、友人から頂いたこちら被災地宮城県の母の日の話をさせて下さい。
 5月8日の日曜日は母の日でした。東日本大震災の被災地、宮城県名取市は東北一のカーネーションの産地なのですが、その畑で津波で海水をかぶりながら、塩害にも枯れず花を咲かせたカーネーションが、朝市の一角に並び話題を呼んだそうです。

 生産者は被災したこともあり、出荷は見合わせたそうなのですが、支援者の助けで格安販売が行わることになったそうです。買いに来た人たちは“津波に耐えたカーネーション”ということで、いろいろな思いを胸に母に捧げる小さな花束を買って行ったとか。

また、友人は、こうも書いています。「厳しさに耐え抜く姿は、どんな苦労をも厭わず、子どもを守り育てようとする“母”の姿にもつながります」と。お母さんに喜んでもらえることをすることが、一つの大きな平和です。そのために頑張る・・・そのことによりトークエンさんの力が引き出されます。後期も応援していますよ。

北村 元 愛のベトナムさわやか支援隊
      Love & Support Vietnam Since 1990
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