2011-03-20

蓮の花奨学生からの便り(24)

今日は、ダナンから送られてきた奨学生の手紙です。これで24通目になります。
ラ・タイン・トアン
ダナン市、2011年1月6日
愛のベトナムさわやか支援隊 さま
青年は夢、理想、志望を抱くものです。いつも希望に溢れていても、体や健康が不安だとその希望が無くなります。新しい日、人生の希望を抱く力もなくなります。成長してゆく中でいろいろ悩みながら、前に進んでいるつもりでますが、今は生活をして行く自信が無くなる私になってきました。

自分の中に負の部分が多分多くなって、他の友達のように遊べないし、自分の国の綺麗なところ、景色を見ることができないし、勉強もできません。それに、家族の経済的な問題が大変苦しく、お金の余裕が無いので、私の学用品を全て買うことが出来ません。現在、私にとって勉強とは、社会の人と交流する機会、人生の経験を持つチャンスと考えています。そして、皆様のご支援と応援がないと、このようなことができなくなると思います。
私の家族の皆が、愛のベトナムさわやか支援隊の皆様に感謝の気持ちを送りたいと申しております。そのご援助のおかげで、私は苦しい状況のなかから、自信を持って、前に向かって勉強をしてしっかり進むことができます。

皆様の愛情と期待に応えて私は勉強を頑張ると約束します。良い成績がとれるように、一生懸命に勉強します。

最後にもう一度皆様にありがとうございますとお礼を申し上げます。今後、他の友達にも私のようなご支援を頂ければ、いいなと思います。
TOAN


外国に手紙をかくことは大変に労力のいることです。そのなかで、一所懸命書いてくださったことに、厚くお礼を申し上げます。体の調子はどうですか? あの日8月16日、皆さんと話し合いができると思っていたのですが、種々の事情でとりやめになりました。とっても、私は残念に思っています。

お身体も大変なかで、トアン君の心のなかにはいろいろな想いが駆け巡っているでしょう。焦らず、まず、自分の勉強をしっかりしていきましょう。今は、何かわからないかもしれないけれど、トアン君にしかできない使命が必ずあるはずです。それをみつけるためにも、しっかりと勉強してください。

私たちが差し上げている奨学金は、決して十分なものではないかもしれません。しかし、私たちの気持ちから、発奮して、支えてくれている人たちがいるんだと思って、今まで以上の力を出してくれれば、とってもうれしいです。

モーリス・メーテルリンク作の童話劇『青い鳥』の話を知っていますか?

貧しい家に育ったチルチルとミチルの兄妹は、幸福を招くという青い鳥を求めていろいろな国に旅に出かけます。しかし、結局どこにいっても青い鳥を捕まえることができすに家に帰ってきます。二人は疲れ果てて眠り、夢から覚めると、なんと家で飼っていた薄汚れたハトが青い鳥になったのです・・・。 

絵本や童話集は子供向けのものであるため、最後には青い鳥が見つかったというハッピーエンドで終わっています。そして、青い鳥は身近なところにいたという話を「幸せは身近なところにある。だから、その身近にある日々の幸せを大切にしよう」というメッセージとして解釈されています。
 
  しかし、メーテルリンクの青い鳥の原作ではその話に続きがあり、家にいた青い鳥も結局逃げてどこかへ行ってしまうところで話が終わります。
 
 できあいの幸せ(青い鳥)なんてこの世にはない。幸せは簡単には手に入らない。でも人間には青い鳥(幸せ、希望)が必要だ。だからそれを作らなければいけない・・・。そういう意味と考えられています。自分の住むところで、精一杯頑張る・・自分のいることろを最高の場所にしようとすることが大事だと思います。
今年は、是非お会いして、色々とおはなしをしましょう。お元気でいてください。お母さんによろしく。

北村 元 愛のベトナムさわやか支援隊since 1990
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