2010-07-09

米越対話グループの行動計画(1)

先月6月に、アメリカは、枯れ葉剤に関する宣言と行動計画を発表した。これは、読んで頂けるとわかることなのだが、アメリカ政府の発表ではないのだ。とりあえずは、アメリカの著名な民間人とベトナムのカウンターパートが話合いを積み重ねてきた結果なのである。私が行動計画を翻訳し、このブログに載せるには、少々時間がかかるので、メディアに出た行動計画の記事を掲載することにしたい。まずは、IPS(インタナショナル・プレス・サービス)のディジタル・ジャーナルの記事だ。
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報告:アメリカは、ヴェトナムの枯れ葉剤被害浄化の費用を負担すべきだ

ワシントン発(2010年6月17日)― 市民、政策立案者と科学者で構成する二国間の私的グループは、ヴェトナムの枯れ葉剤汚染地のうちの14箇所に10年計画で3億ドルを投入する浄化計画をまとめた。

アスペン研究所は、6月16日(水)にプレスリリースで同計画の採用を発表した。そして、現在、彼ら自称ブルーリボン・グループは、計画に基づいて行動するようアメリカ政府に働きかけている。パネル共同議長ウォルター・アイザックソン氏の発言を、IPSが報告する。

36歳の息子の車椅子を押すテさん(右端71歳)ダナンで
「我々は、ベトナム戦争の大きな遺産とこの重要な(両国)関係の大きな障害となっている事柄について議論している。ベトナム戦争から続く混乱(被害)の浄化は、BPが行っているメキシコ湾の石油流出の除去作業よりはるかにコストは低い。

アメリカは浄化経費の大半の3億ドルを支払うという計画の中にそのことは詳細に述べてあるが、「パネルは、他の政府、財団、企業と非営利団体の間の協働行動を求めて話を進めている」と言う。

ヴェトナム戦争中に、アメリカは2000万ガロンのダイオキシンを含むエージェント・オレンジと他の除草剤を噴霧したと、同研究所は言っている。戦争中と戦後に、エージェント・オレンジに直接、間接に曝露したベトナム人は300万~500万人らされたとみられている。そして、さらに280万人のアメリカ軍兵士が戦争中に曝露した。

ヴェトナムとアメリカが、国交を樹立したのはわずか15年前だった。戦争は35年前に終わっていた。アスペン研究所はヴェトナムのエージェント・オレンジ問題の責任が誰にあるかという議論を棚上げ時だと言い、「責任、認識とデータ信頼性の問題で、あまりにも長い間議論の応酬に終始し、治療的な措置を遅れさせてしまった」と、アイザックソン共同議長は述べた。
母親の目はほとんど見えない・・息子は障害を抱えて・・ダナンで
ダイオキシンは残留性有機汚染物質で、エージェント・オレンジと他の枯れ葉剤の中の一成分である。エージェント・オレンジは、木を枯らせるために、アメリカによって戦争中にヴェトナムで使用された。今日、樹木の生えない広大な土地がある。国防総省の主張は、エージェント・オレンジは1065万ガロンしか撒布していないと主張している。

アメリカはヴェトナムの3箇所枯れ葉剤汚染地の浄化作戦で資金を寄贈した。しかし、アメリカ政府は、ベトナム人とベトナム参戦兵士の疾病や障害とエージェント・オレンジとの関連性を認めることを渋っている。ヴェトナムはベトナム戦争の致死遺産としてのダイオキシンによる環境汚染の矢面に立つ一方、アメリカの一部のコミュニティでは、アメリカ国民も高水準のダイオキシンに曝露されていると、アスペン研究所は報告している。

浄化計画の完成には3年かかった。対話というアイディアは、2006年にフォード財団が提案した。フォード財団とアスペン研究所の仲介による二国間の協働作業の結果、ヴェトナムでのエージェント・オレンジに起因する問題に対処する方向へ少しずつ進展を積み重ねていった。例えば、リハビリテーションのセンターをいくつかヴェトナムに開設した。ヴェトナムの3つの汚染地を浄化した。そして、ゲイツ財団が研究所建設の費用を寄付した。

アスペン研究所は、ダイオキシンは危険だと言う。

「(ppt・・・一兆分のいくつという)小量ですら、...アメリカ医学研究所の2009年7月の報告書では、エージェント・オレンジ/ダイオキシンへの曝露と5つの疾病(軟部組織肉腫、非ホジキン・リンパ腫、慢性リンパ球性白血病(絨毛様細胞白血病を含む)、ホジキン病、塩素ざ瘡)との間の関連性には十分な証拠があるとした。
グエン・ティ・タインさん 今日も娘の世話が続く ダナンで
ヴェトナムでは、ベトナム赤十字も、以下の疾病とダイオキシン曝露関係付けている。肝がん、脂質代謝疾患、生殖異常、先天性奇形(例えば唇裂、口蓋裂、内反足、水頭症、神経管欠損、合指症、筋肉奇形と麻痺)、そして、若干の発達障害。

データ表では、ダイオキシンが危険であると警告を続ける。
「それは…数十年に及ぶ有毒な残留性有機汚染物質であり、水溶性でなく、容易に分解はしない。漏洩地域や撒布地域から、地中に吸収されないで流れる表面流去によって運ばれる土粒子に付着し、湖や川の沈殿物に入り込む。それを軟体動物、魚、水鳥が摂取し、簡単に人間の食物連鎖に侵入するからである。

人間の脂肪組織の中で、化学的には安定し、安住し、ダイオキシンは身体機能と生殖過程に関係する複雑な細胞と化学的バランスを変えることになる。早期に発見できれば、その副作用は、ほとんどの場合手術、投薬又はリハビリ療法によって改善することができる。しかし、一部の症状は、どんなに多くの時間やお金をかけても治療で治すことはできない。

遺伝子の影響は1世代を飛ばす可能性もあり、第3世代またはそれ以降の世代に再び現れるかもしれない」と、アイザック氏は話す。

『アメリカの声』放送は、6月17日、国交回復15周年記念の関する米越両国の交渉では、ダイオキシン環境改善についても話し合ったと、伝えた。

アスペン研究所は、行動計画を発表した。Posted by Picasa

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