2009-10-21

支援隊ツアー09(63) 枯れ葉剤被害者協会1

8月24日:いよいよ今次ツアー最後の公式行事になった枯れ葉剤被害者協会全国本部への訪問です。協会の副会長であり、事務局長でもあられるチャン・スアン・トゥさんに
お目にかかることが出来ました。要職にあられるトゥさんの息子さんは、日本に留学経験をお持ちで、トゥンさんご自身”知日家”の方です。トゥンさんと一緒に、同席されたのは、協会の対外関係部グエン・ミン・イー部長と協会の中央常任委員で財務部のドアン・ヴァン・ダム部長です。
私たちからは、まず、今回のツアーの概要を説明しました。クアンガイ省、ニンビン省、バクザン省、ハノイの1都3省で、14名の奨学金贈呈、10軒に20頭の豚の生活支援、2施設での音楽療法、眼科検診、カイロプラクティックの施療、ソンミーでの植樹などの活動報告をしました。
その後、同協会の最大の問題の一つであるアメリカでの法廷闘争支援のために、数年前に大釜前会長が始めた金一封を、今年も例年通り宮尾会長から贈呈させて頂きました。
トゥ副会長と宮尾会長

トゥ副会長からは、丁重なるお礼のお言葉を頂き、ほどなくして、額に入った大型領収書を頂戴しました。毎回のことながら、初めての参観者は驚ろいていました。

この後、宮尾会長から、当支援隊が発信したブログを、昨年同協会訪問時以降から、今次訪問の直前のものまで、1年分をプリントアウトして、クリアファイル3冊に収めて、贈呈しました。                                                     

「5月にパリで行われた枯れ葉剤被害の”良心の裁判”は日本ではほとんど報道されなかったので、ほぼすべての記事を、日本語で収めてあります」と、小生から一言添えました。

これに対して、トゥ副会長はことのほか喜んで下さり、「日本人の来客にも閲覧してもらいます。また翻訳をしたいと考えます。息子にも読んでもらいます」と、話されました。

トゥ副会長のお話は、概要以下の通りです。
                           
「本日は、遠路いらしてくださり、ありがとうございました。現在は、国内企業に対して、当協会の支援を呼びかけているところです。国内外の支援で、6億ドルを頂きました。15%が、外国からの支援です。55の施設を建設し、550戸の家を建てました。1100人に奨学金を授与し、1100人の就職斡旋を実現しました。8月10日の枯れ葉剤の日に向けて、外国の団体から寄付を頂戴しました。
                         
支援の中に、二人の日本人がいました。一人は坂田雅子さんで、ドキュメンタリー映画を作った方です。(北村註:ご主人を枯れ葉剤でなくされ、映画「花はどこへ行った」の制作監督です。米軍兵士としてベトナム戦争に送られた過去をもつ夫・グレッグの死について、友人から当時浴びた枯葉剤が原因ではないかと聞きました。夫が入院してわずか2週間後のことでした。妻である坂田雅子(長野県須坂市出身)に喪失感とともに沸き起こっ たのは、「なぜこんなにも突然に亡くならなければならなかったのか」という疑問 がおき、映画製作のきっかけになったようです)
                            
どうぞ、皆さん、竜眼を召し上がってください。これは。フン・イエンで獲れたものです。昔は王様しか食べない果物と、ベトナムでは言われました。日本にはありますか」
                           
「日本には王様がいなかったので、竜眼はありません」と、小生が応えて、大笑いになりました。
                           
さらに、トゥ副会長は、こう話されました。
                            
「今年これまでに集中して行ったことは、さっき北村氏が話したパリの”良心の裁判”でした。これは、成功に終わりましたが、引き続き、各国に支援をお願いしております。
                           
私達は、今後1年間に目標としていることは、(1)寄付金と人的支援を受ける努力をする。 (2)枯れ葉剤被害者のことで、10月にアメリカに行き、今後の方針を探る。 (3)パリで行った良心の裁判を継続していく この3点です。そのために、多くの国に、ベトナム枯れ葉剤被害者のことを知らしめていきます。新聞、テレビ、インターネットを活用して広報活動を強化したいと考えます。東南アジアはもとより、アメリカ、ヨーロッパ、さらにはアフリカをも視野に入れています。規模を大きくして、周知を図るつもりです。
                           
オバマさんに、手紙を書きます。3億ドルの寄付をお願いしたいと。それは、被害者の正義と公平のためです。
                          
日本の支援もお願いします。国内の啓蒙活動にも力を注ぎます。皆が活動者になることです。若者から年齢に関係なく・・・。学校、テレビ、マスメディア、ベトナムにいる外国人も関係なく・・・活動をやってほしいと考えます。
                 
いま、第3世代が増えつつあります。ダナン、ビンディン省のフーカット、ビエンホアの各空港で浄化活動をしていますが、ダナン空港では、まもなく終わります。アメリカの協力で600万ドルの支援がありました。そのうち200万ドルは医療支援に当てられました。しかし、400万ドルの使い道は決まっていません。ビエンホアでは、きれいになりません。時間がかかるかもしれません。アメリカ人スタッフの費用だけでも、かなりのお金がかかります。
                           
フーカット空港はまだ計画中ですが、チョコスロバキアと協力するかもしれません。土壌が汚染されていることは、認められています。どんな技術を使うかがまだ決まっていません」
                          
ここで、北村修治さんが、「先日、クアンガイに行った時、12歳で4キロちょっとの子どもが寝たままでいました。オバマさん、この子を抱いてください・・と署名活動をして、手紙を書きたいと考えています。オバマさんの奥さんでも良いと思います。」と、発言しました。
                            
トゥ副会長は、すかさず、「それは、すばらしいことです、ぜひおやりになってください」と、応じ、大賛成の意向を示されました。(つづく)Posted by Picasa

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