2009-10-14

支援隊ツアー09(49) ニンビン省5

三島氏並木の小野秀人さんから託されためがね(最後の三分の一)を、ビンさんに手渡す大釜事務局長。ニンビン市内で。顔の広い方です。あちこちにあげてくれるはずです。

また、来年までお会いできないと思うと、1年間のご健康を強く祈るのみです。このビンさんも、枯れ葉剤の症状が、皮膚に出てきています。でも、旧女性兵士のまとめ役、リーダーとして、気丈に振舞う精神の高さ・立派さを、私はつくづく感じるのです。

2年ほど前でしたか、ぽろりともらしました。「私の後ろにたくさんの元女性兵士がいます。悲しい顔は出来ないんです」 私と家内と通訳と4人きりの時でした。

どこでも、明るく振舞う。声は大きい。だから、人はついてくる。450人の旧女性兵士の家を、こつこつと回ったあの時の体力はもう無いかもしれません。 しかし、あのときの気持ち、人を思いやる心は、失われていないどころか、ますます、強まっているのではないでしょうか。現代社会の大きなテーマは、地域であろうが、世界であろうが、人間の「連帯」を、いかに作っていくかにあるといえます。

「奨学金をあげたい人が、身近にいるんです」 かなり血縁の近いニュアンスでした。私は名前を聞いていません。今年、その人が入っているのかなと思いました。でも、入っていないようでした。まず、苦しんでいる仲間の子息から・・・そう思っているに違いありません。若くして、親と死別したビンさんなりの、やさしさと思っています。

今年、奨学生に年2回(11月と5月)の生活レポートの報告を義務付けました。どんな生活の報告でもいいんです。そのために、日本に届くように、国際郵便の料金にあった切手を貼った封筒を、2通ずつ、奨学生に渡しました。ニンビンで、封筒が2通余りました。ビンさんは、すばやく見つけて「これください、ねっ」と言いました。ほんとうに、郵便をくれるのかわかりません。すべての封筒の宛先は、宮尾会長の自宅にしてあります。でも、何か内緒で言いたいことがあるのではないかと、私は思っているのです。

「人生、意気に感ず」という言葉があります。理想を掲げるのも重要かも知れません。しかし最後に人の心を突き動かすのは、同じ人間としての信頼感であり安心感です。
「自分のことを大切にしてくれる」「よく分かってくれる」。そういう人と一緒なら、人間はいつまでも頑張れる・・・と、旧女性兵士の皆さんは、心に強くそう思っています。ビンさんいればこそ・・・の、ニンビン省女性兵士です。来年も、元気にお会いしたい一人なのです。Posted by Picasa

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