2008-09-19

支援隊ツアー2008(6)あいあい眼科巡回診療(1)

22日 私たちは、いよいよバクザン省の障害子ども村へと車を走らせました。ここで、沼津のあいあい眼科クリニックの巡回診療が始まったのです。個人的に申しあげるなら、お医者さんが同行して下さるまでに10数年かかったということです。地元のお医者さんを、小生個人が有料でお願いしたことはありました。被害者が日本のお医者さんに会ってもらうのは私の長年の夢でした。声をかけてくれた新谷さん(音楽療法士)と、応じてくださった名古先生ご一家に最大の感謝です。
センターに入ると、診察をする教室の黒板に、「ありがとう! 名古先生」と、文字が書かれていました。センター側のうれしいお心遣いに、ひとえに「ありがとう」と申し上げます。
診察の準備をする名古先生ご夫妻

山崎豊子さんの『大地の子』にも、中国奥地の巡回診療のシーンが描かれていますね。ベトナムの現状はあそこまで酷くはないにしても、地方の住民にとって、医療はやはり遠い存在のようにみえます。だからこそ、こういう地道な医療活動が大事なのです。小生がながらくお世話になった歯医者さんが、カンボジアに出かけていらっしゃるのを知って、やはり羨ましかったです。

「はい、こっちを見てねぇ」

検診された名古先生のお話です。

「バクザン省の障害子ども村にて、眼科検診を実施しました。現在の眼科診療では検査に種々の器械を駆使する必要があり、ライトのみの検診では辛いものがありました。中枢神経を侵されているためか、数人の子に強い眼振が見られました。

名古先生の奥様にしっかり抱かれて
視力検査の設備もなく、まだまだこれから、という状況でした。日本の子ども達と比較すると、アレルギー疾患が少ないためか、むしろ綺麗な眼をしている、とも言えます。治療可能な疾患も放置されている可能性があり、これからの検討課題と思われます 」

子どもの検診に医師の笑顔が絶やせない
問題ありと認められる児童を、今後どうするか。地元の病院での精密検診は可能なのか。医療費をどう工面するのか。考えていきますと、とめどもなく支援の枠が広がります。大ハノイ市の隣の省で、こういう状態です。
                           
写真上は、優しい笑顔で診察する名古先生。右は、このセンターに勤務する海外青年協力隊の新井智子隊員です。新井さんには、診察する生徒40数名のリストの作成を、事前にシドニーからお願いしました。こういう連携作業があって始めて短い時間の中での流れるような診察が出来ると思います。有難うございました。
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*生理的眼振は別にして、 病的眼振には、 先天性眼振と後天性眼振があります。

★先天性眼振は生後よりみられ、何かを注視すると増強して、注視を止めると抑制される(後天性は逆の場合が多いです。先天性でも他に乳幼児に多いものは振り子様眼振といって先天性視力障害に伴うもので眼科的検査が必要です。

あるいは衝動性眼振といって、生理的にも病的にも見られ、眼科耳鼻科脳神経外科などを検査するのが多いと言われています。
                             
★後天性眼振は、生後は眼振はなかったのですが、後に内耳系(目眩を伴う)脳幹部(大脳から延髄から小脳など)疾患によって、目眩症状を主に伴うことが多い疾患と同伴して起こる異常な目の動きで、大人にも起こりますし、もちろん子供でも目眩を伴う内耳疾患でも起こる場合もあったり、これもいろいろです。後天性眼振イコール目眩疾患とも片付けずに、精密検査がひつようです。Posted by Picasa

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