2007-10-17

枯れ葉剤訴訟 因果関係(1)

この記事は、ベトナム33委員会の機関誌『毒学』に掲載された、ベトナム枯れ葉剤被害者協会常務理事、レ・ドゥック・ティエット弁護士の主張を転載したものです。

因果関係
レ・ドゥック・ティエット
ベトナム・ダイオキシン/オレンジ剤被害者協会

常務理事

アメリカの化学会社の弁護士は一つの結論を出して、ダイオキシンが原因であうことを拒否した。それは、枯れ葉剤被害者と化学物質との関係は未だに証明されていないという結論だった。

因果関係は難しい概念で、色々な科学者が討論してきた。事件や民事事件の捜査、判定の時、因果関係は裁判官と弁護士、弁護士と原告側の間でよく議論されている。

それでは、因果関係とは何か?どうして証明するのは難しいのか? このことを一つの文章の中で全部説明するのはとても困難だ。

因果関係とは一つの熟語である。原因と結果の影響、従属関係を指す言葉だ。かなり昔から、人間は原因と結果の区別は出来。矢の先を動物に刺す時、矢の先は原因であり、動物の肉に刺さったのは結果ということだ。もう少し時代を経ると、どういう原因を与えれば、それなりの結果を得るのを知った。それを知った時に、人間は道具を作った。人間の進歩は低いレベルからどんどん進化してきた。進歩すればするほど、人間は因果の関係を証明するために色々な研究をした。

原因の中でも、何の原因が主因であり、どれが主因ではないのか?同じ原因なら同じ結果を生むのか?偶然の結果もあるのか、それとも必然的な結果しかないのか?どんなものでも関連性がある。原因は結果を生む、結果は原因になる。因果、果因は進歩とともに存在する。色々な因果の疑問は日常生活の中に生まれてきている。色々な分野で因果関係の問題は研究され、討論されてきたが、果てることはない。

ある人たちは、人間差別主義者だ。その人達は、進歩した人間と進歩していない人間を分け、進歩した人間と進歩しない人間同士は結婚してはいけない!とした。その他、別の人達の研究もした。有名人の夫婦(原因)が子供を生むと、その子供(結果)は頭がいいかなどという研究だった。実際は原因なりの結果を得ることはなかった!夫婦の頭はさほど良くなくても、子供の頭がいい場合も沢山ある。

他の分野と違って、因果関係を事件の捜査、判定に使うのはとても複雑で、きちんとルールが守らなければならない。それは公平さを期すためだからだ。罰を与えるか与えないかのための原因は一つしかない。その原因があって必然的な結果が生まれるということだ。これは一つの事件の中で、主因を指すことができず、その主因がその結果につながったことを証明できなければ被告を処罰できないのである。(つづく)
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