2007-09-08

ニンビン省 その5 ニャンちゃん宅で

8月25日のニャンちゃん宅訪問で、ひと通り話が終わって、何か質問はありませんか?と、切り出した時に、上崎理会子さんが手を挙げて、「髪を結ってあげてもいいですか?」とボランティア買って出てくれた。
私は、お母さんの許可も得ずに、「もちろん」と言ってしまった。
ここからは、”理会子の独占美容教室”だった。誰も手を出せない見事な「支援」をみせてくれた。
私が経過を書くよりも、泉先生から支援ツアーの感想文を戴いているので、それをご紹介して、読者の皆様に想像をかき立てて頂くとしよう。

「若者 やるじゃん!」 

帰国から早1週間になりますが、未だ鮮明に覚えている光景を記します。上崎さんです。上崎さんは英語がすごいと、こちらも英語がすごい伊藤くんが言っていましたが、彼女が英語を話すのを一度も聞いたことはありませんでした。日本語ですら、しゃべっている姿をあまり見かけなかったように思います。むしろ、世界一に輝いたというダンスを無言で踊っている姿ばかりが目につく方でした。
しかし、その彼女が、ファム・ティ・ニャンちゃん宅できっぱりと、「髪を結ってあげてもいいですか?」と、先ずニャンちゃんを、続いてクエン姉さんの髪を結ってあげました。

表情の全くないニャンちゃんは、結い上がった髪を合わせ鏡で覗いてもニコリともしません。ところが、クエン姉さんの髪に上崎さんが取りかかった途端、黄疸の進むニャンちゃんの土色の顔に笑みが広がりました。

その後、ニャンちゃんは私たちが出発するまでの間、ずーっといい顔でした。あちこち動いたりもしていました。
上崎さんは、きっと、自分の出来ることをじっと考えていたのだと思います。

上崎さんが髪を結ってあげて、10円かそこらの髪留めを残してきたことは、あと数年の命と言われるニャンちゃんの病状の悪化を食い止めることも、一家の暮らしを助けることもできません。

でも、姉妹は、今後、教えてもらった髪型にお互いを結い合って、上崎さんを暖かい心持ちで思い出すことでしょう。

上崎さんは、あの時、それぞれの思いであの場にいた日本人とベトナム人の大人の誰よりも、ニャンちゃんの心の一番近くにいたのではないか。そんな気がします。

やるじゃんか、若者!

最後になりますが、会の皆さんの地に足をつけた支援の姿を存分に見せて頂き、感謝しております。(泉 康夫)

泉先生。心温まる旅の感想文をありがとうございました。御礼を申し上げます。

最後は、ほのぼのとした気持ちが参加者全員の心に広がり、上崎さんから衣類を贈呈して、ニャンちゃん宅を辞しました。普段、高校の後輩には髪を結ってあげることを、理会子ちゃんはしているそうですが、私たちの周には経験が無いからこそできることがあるのではないでしょうか。支援は、気持ちさえあれば、誰にでも出来ます。・・・行動です。心です。人を喜ばせる「心」です。人を思う「心」です。Posted by Picasa

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